診療所内ほのぼのエッセイ

命について

 
 

 死を身近に体感することがあった。
とても悲しい出来事だった。しかし同時に、生を考える機会にもなったかも知れない。
 いつだったか、あるおばあちゃんからこんな話しを聞いた。それは息子さんにこう言われたそうだ。「長生きして病院だけ行って・・・」と。おばあちゃんは、その言葉でとても心痛めたと思う。
人は誰でも老いていく。老いること、それは衰弱するのではなく成熟していくものだと思いたい。老いていくことを不幸だとは思いたくない。人は生まれ、死に向かって成長していき、いつかは誰にも死という現実がやってくる。
だとしたら一生をどう生きるか、どう生きたいか、時には考え時には考えず、自分の為にも人の為にも自分の寿命を燃やせたら…。その時はきっとバンザイして死を堂々と迎えられる様な気がする。
身体はたとえ満足のゆく健康状態でなくなってきても、心は健康であり続けられたらと願う。
おばあちゃん、気のきいた言葉は見つからないが「堂々と長生きしましょう」と心の中でつぶやいた。
死を身近に感じて、ほんの少し生について考えてみた。

By-sugako