ただいま旬の食物

 今月の旬はヘチマです。とれる野菜が少ないこの時期は重宝する野菜ですね。ヘチマは沖縄ならではの食材です。栄養面・味・植物としてなどいろいろな面から見てみましょう。

● おもしろい名前の由来
 ヘチマは熱帯アジアの原産で古くから各地で栽培されてきました。ヘチマは熟すと繊維が糸のようにはることから糸瓜とも言います。種類は「だるま」や「ながへちま」など2・3種類あるようです。昔は、糸瓜(いとうり)の「い」がなくなって「とうり」と読んでいたそうです。その「と」が「いろはにほへとちりぬるを…」の中では「へ」と「ち」の間にあることから「へち間(ま)」と呼ばれるようになったとか。

● ところ変われば…
 本土ではタワシにすることで知られていますね。江戸時代から静岡県の浜松・袋井あたりが有名な産地だったようです。
 保湿作用のあるサポニン、アミノ酸、糖類などが含まれているため、昔は化粧水としても使われていました。茎を一ヶ所切ってビンに挿しておくと水分がたまるのでそれを利用していました。江戸時代の記録にも化粧水としてヘチマ水を採取したという記載があるそうです。本土では食用にしないヘチマも沖縄では立派な野菜の一つ。独特の甘味は味噌といっしょに調理すると、低下しがちな食欲を増進させてくれます。日差しの強い沖縄だからこそヘチマの特徴も活きるのでしょう。昔、食糧の少ない時代には干して
「干し瓜」にし保存食としても利用したそうです。

● 喘息に効く?
 実際、中医栄養学ではヘチマは身体を冷やし、渇きを癒す食品として分類されています。民間薬としてもたん・せき・利尿剤として煮出した汁を飲むと効果があるとされています。ヘチマ水もサポニンが少量含まれるため同じような効果があるそうです。 他の成分を見てもビタミン・ミネラルをまんべんなく含むミネラルウォーターのような成分で、どの成分が特徴的に含まれるというわけではなく、「良質の水」といった感じです。
 おもしろいなあと思うのは、東京都台東区上野にある浄名院というお寺の境内にはへちま地蔵尊というのがあり、毎年(旧暦)八月十五日にはへちま供養というのが行われるのです。この行事は、明治時代の初めから行われている伝統行事で、第三十八世妙運大和尚が、当時不治の病といわれた、たん・せき・ぜんそくに苦しむ人のために毎年十五夜の日(旧暦の八月十五日)に、へちま加持祈祷の法要を営んで救ったという事にちなんだもの。今でも咳・喘息が治るよう祈願する人達で賑わうそうです。

● 相棒は味噌
 ヘチマはやはり味噌と合わせるのが一番。味噌には疲労回復ビタミンのB群が含まれています。ヘチマのミネラルと味噌の塩分・ビタミンB群は汗をいっぱいかいて疲れた身体を、はやく回復させてくれることでしょう。

●【ナーベーラーの酢味噌がけ】
《材料》 へちま250グラム・酢味噌(白味噌大2・砂糖小さじ1.5
酢小さじ1.5  だし小さじ1.5)

@ へちまは皮をむいて縦2つに切り、一口大に切っておく。
A 固めに塩茹でし水にさらした後、水気を切る。
B 器に盛ってよく冷やし、酢味噌をかける。
*お好みですりごまやピーナッツバター等を入れても良い。
これからの暑い季節にぴったりの一品です。