老人パワーを あやかりたい!

おじーにインタビュー 沖縄は長寿県といわれているように、八十歳を超えてもなお現役で生き生きと生活しているお年よりが多く、私たちも励みになりますよね。
 最近では、NHK連続ドラマ「ちゅらさん」でも、平良トミさん演じるおばーが実にいい味を出していて、視聴者からは「沖縄のおばあさんは、みんなあんなにパワフルで、明るく元気なんでしょうね」と話題らしい。 そこで当診療所では、先月より村内のがんじゅーおじーやおばーにスポットを当て、長寿調査を行いながら色々なお話をお伺いしていこうという企画をスタートしました。
 この企画にご協力いただき、第一回目に花を添えていただいたのは、字渡喜仁の喜屋武忠栄さんです。

● 長生きには、歯は必要?

「喜屋武さん一緒にお昼ご飯食べよー」と弁当持参でおじゃますると、喜屋武さんは、あいにく入れ歯の調子が悪く自分で作ったおかゆを食べたとの事。

Q.入れ歯はいつ頃から?

 「五十年程前に、健康歯を十一本も抜いて総入れ歯にして別に問題はなかったが、年と共にハグキが縮むと入れ歯も合わなくなり困っている」とのお話を聞き、歯が痛むと食事もしっかりとれなくなるから、自分の歯を大切にするのも健康管理の一つだと感じた。


● 半農半漁で、働きっぱなしの時代
  若い頃(戦前)は、一人か二人でサバニをこいで漁に出よった。時には百キロの水揚げの日もあれば、一日中こぎ続けた日もあったが、夜の楽しみを思うと頑張れた。
 しかし戦後は遊ぶ暇もなく、タバコ・スイカも作れば海にも行く。
 また何十キロも歩き、日雇いにも出かけた。昔は、よくがんばれたなあーと思うが、「ジニや、グソーかいむっちいからんとぅ、なんまやたのしみすん」と笑って話す喜屋武さん。


● いつの時代も楽しみをもつ事

Q.昔の楽しみといえば
 娯楽がない時代だったので、夕方になると男女が浜におりて、サンシンを弾いたり踊ったりのモーアシビー。 夜明け近くまで遊んで、日中はまた仕事をするから、さすがに疲れて「今日は早く寝よう」と思うが、太陽が沈むと目がパッチリとネコの目のように輝いて、また元気に浜に出かけよった。

Q.今の楽しみとは
  ゲートボール。七十過ぎから始めたから、もう二十年近くなるかねー。
 去年も本部町で行われた大会で本部に勝って那覇の大会まで行き、そこで敢闘賞をもらったよー。その時のトロフィーが一番大きいよー。

Q.ゲートボールのメンバーの中では一番の長老ですか?
  字では私が長老になるけど、他では九十四歳の人もいるよー。

● ニンニクの持つ力

 軍隊でケガをして夜戦病院に運ばれたが、ワラを敷き詰めた部屋には大勢の患者が横たわり苦しんでいた。
 ケガをしていても赤チンキの消毒は、週に一回だけで喜屋武さんはとうとう赤痢にかかってしまい、正露丸や下痢止めを飲んでも一向に良くならない。そんな時、「うちなーえーね、わたぁーやみーすんねーヒルザキぬ まさったんむん」と思い出し、にんにくを二個買ってきてもらい、ご飯と一緒に二粒づつ食べたら、三日後に血便は止まった。その時に「伝染病の菌を殺すのは、ニンニクだなー」と確信して以来、現在でも自分でヒル酒を作り「毎晩なめる程度しか飲んでいないが、風邪もひかないで元気でいられる」と語ってくれた。
 またあるテレビ番組で、ニンニクを食べさせたねずみとそうでないねずみを水の中に入れると、普通 のねずみはすぐにバテてしまったが、ニンニクを食べさせたねずみは水中から首を上げずっと泳ぎ続けたのを見て、やっぱりニンニクは体力にもつながり元気になるんだ」と再確認したという。
 その話を聞いていた石川先生も「ニンニクは免疫力を高めますからね」と話し、私達はニンニクの効能を学んだ。

● 楽しいお話ありがとう

  私たちの訪問を笑顔で迎えてくれた喜屋武さん。若さの秘訣は、若い頃の食生活にあるのか、はたまた本人曰く「ぬ ちぐすい」だと言うヒル酒にあるのか定かではないが、喜屋武さんのお話を伺っているかぎりでは、その人柄と生きがい(楽しみ)をもった生活環境にも大きく影響しているのではと思った。 喜屋武さん、今回は貴重なお話をありがとうございました。 一回の聞き取りでは、とても語れない喜屋武さんの人生談話を、また次の機会にぜひ聞かせていただきたいと思います。