講演会 沖縄の社会と長寿
    「健康長寿で心豊かな社会」へ


 去った1月31日(火曜日)に、名護市のホテル・ゆがふいんおきなわにて『沖縄の社会と長寿』と題した公開講演が行われました。
 特別公演では、琉球大学医学部教授・崎原盛造氏による「沖縄の社会と長寿・〜北部を健康長寿のモデル地域に〜」のご講話では、先生の聞き手を引きつける話術と解りやすい内容に、何度も「なるほどなあー」と関心させられました。

●健康長寿の条件は、ウチナーグチかりゆし
健康長寿の条件は、沖縄の方言・『かりゆし』で表現できると言う。 かりゆしのかりを沖縄独特のカリー(かりーをつける)と表現し、そのカリーをローマ字に直すと K・A・R・I・I
 その一つひとつの文字には意味がある。

 K:健康チッエクをする。
 A:(activity)体を動かすこと。
 R:(read)新聞・雑誌・本など書物を読むこと。
 I:いきがいをもつこと。
 I:(interrelated)人とのまじわりをもつこと。

 文章にすると「健康チッエクをして、体を良く動かし、読んで頭の体操、いきがいを持って心豊かに、人々とまじわり楽しい人生」となる。
  この5つの事を実行することが、健康を保つうえで非常に重要な要素であり、またその5点を実行することでかりゆしのゆし(Y・U・S・I)につながるという。

 Y:(young)若さ。
  U:(useful)役に立つ。
  S:(satisfy)満足する。
  I:(independent)自立する。

 つまり、「いつまでも若さをたもち、家族や地域の為に役立ち、日々の生活に満足し、自立する事ができる」とまとめた。

● 共生の社会

  また沖縄社会の 特徴は、人間はみな平等であるという意識が強く上下関係を意識させない「横」社会であり、競争よりも共生を重んずる「共生の社会」である。それもまた沖縄独特の方言・シキノチュイシージー(世間は互いに助け合って生きるもの)という沖縄のことわざに示される「支え合う社会」となる。
  ウチナーンチュの共生思想は、地域における人々の社会関係によく現れている。すなわち人々の交流が盛んであり、高齢者を情緒的に支えてくれる人が多く一人暮らしの高齢者をひとりぼっちにしない。この支え合う関係こそが、高齢者の精神的健康を高める働きをしている。

● モデル地域
  『健康で長寿の人々が心豊かに暮らしている社会』というモデル地域になる可能性を秘めた北部地域は、今でも豊かな自然と伝統的文化が残されている。
  この伝統文化を維持し人々がより健康的な地域となれば、世界の人々に『癒しの場』を提供することが期待できる。
  それはまた地域の財産でもあり、北部地域の持続的発展にも貢献するであろうと締めくくった。

● 五名の先生方によるパネルデッスカッション
 アンケート調査による他府県との比較をもとに長寿に対する意見が述べられ、更に今後長寿県である沖縄のお年よりが健康的に長生きができるように、生活習慣や転倒予防のための軟骨強化、生活史にみる長寿の個性や性格などを分析した発表が行われ、今後の長寿地域をめざす参考となった。

● 最後に
  残念ながら私は仕事の調整がつかず会場には行けなかったのだが、講演会の録音テープを聞くかぎりでは実に内容の濃い充実した講演会だったのではないだろうか? このように恵まれた環境の中で生活できることに感謝しつつ、更なる地域環境の充実に心がけていきたいものだと思います。